転職者向けアプリ「Haven」
序文:多分ここが一番長い
転職者向けのサービスはたくさんある。
エージェントサービス、転職アプリ、転職サイト……
だから、転職する人は増えているし、これからも増えていくだろう。
でも、「転職した後」の人をサポートしてくれるサービスはあまりにも少ない。
「中途で入ってくれた〇〇さんです。みんなよろしくね」
とはなるが、その後のメンタルケアとしては基本的に「大人だから、寂しいとかあまりないでしょ?そもそも即戦力として雇ってるから、仕事をよろしく!」
という形になると思う。……少なくとも僕の知る範囲ではそういうケースが多かった。
しかし、本当にそうだろうか。
日経転職版によると、中途採用された人材の6割が孤独感を感じているというデータがある。
https://career.nikkei.com/nikkei-pickup/003440
2026/02/01閲覧
「転職者はいい大人だし、即戦力だから孤独感を感じない」なんて幻想だ。
さらに悪いデータが2025年に公開された。
東大の佐々木講師によると、「孤独感を感じる労働者6ヶ月以内の離職には正の相関があった」とのこと。つまり、孤独を感じる人はそれから6ヶ月以内に離職しやすいということだ。
Sasaki et al. (2025). Workplace loneliness and job turnover. Journal of Occupational
https://doi.org/10.1093/joccuh/uiaf009
この点から以下のように導ける
・転職者の6割は孤独感を感じている
・孤独感を感じる人は6ヶ月以内に離職する可能性が高い
→転職者の孤独感ケアを怠ると早期離職につながる
早期離職は誰の得にもならない。
企業はオンボーディングコスト(雇い入れ→教育コストまでを含めたコスト)が無駄になるし、新しく人員を探す必要がある。
転職者側も、勇気を持って転職した先で孤独感を感じ、早期離職してしまっては心にダメージが残るかもしれないし、そこまで行かなくても多大な労力がかかることは明白だ。
だからこそ、誰かが「転職した後」の転職者に向けたサービスを作る必要がある。
で、何しよう……
これが問題だ。
最初はSNSを考えた。
「転職した後の人たちが集まるSNS!そこで同じ境遇の人と繋がり合う!」というアプリだ。
これには問題がある。
・異業種・異職種の転職者同士がつながることに意味があるのか?
・つながったところで孤独感は解消できるのか?
・そのSNS自体が寂しかったらより一層孤独感は強まってしまうのでは?
・というか、既存のSNSでよくないか?
という点だ、致命的だね。
致命的すぎてHaven(名前は先に決まった)をSNSアプリとするのは一時中断だ。
作るのはできるとしても、運用できないし、上にあげた3つ目の問題、「人のいないSNSは人を寂しくする説」が正しいとするとむしろ害悪まであるからだ。
かといって、他のアプリも難しい。
僕は今、ダブルジレンマに陥っている。
・干渉を強めると鬱陶しい
・干渉を弱めると「やってる感」になっちゃう
・行動を強要すると反発が出る
・行動を任意にすると誰もやらない(付加業務になる)
わかるだろう。勤務時間内に「孤独感ケアのアプリを導入しました!何か記録をしてくださいね!」なんて言われたら、人によったらブチギレるかもしれない。
かといって、「孤独感ケアのアプリ……置いておきますね。やりたい人はどうぞ……」なんてテンションで差し出したら誰もいじらない。絶対そう。僕がそう。
むしろ「そんなものを福利厚生として導入するなよな、俺たちの給料やぞ。」とまで思うかもしれない(あ、今のところHavenは福利厚生として導入するB2Bアプリとして考えている)。
また、データの収集についても問題がある。
誰かが孤独感を感じているかどうかは、もちろん普段の業務だけではわからないので、何かしらのデータを従業員から取る必要がある。
「孤独感」というのはとてもパーソナルなデータだ。それを(もしかしたら定期的に)会社に収集されるとなると、「会社から監視されている」と思う人もいるかもしれない。それはむしろ会社からの孤立を強めてしまうだろう。
つまり、
・行動は強制されないが
・何かしらの記録がされて
・会社から監視されている感じはなく
・それでいて孤独感ケアができる
……そんなスーパーアプリを開発する必要がある。
今の僕にはまっっっっったく思いつかない。
とりあえず何がし作ってみることはできるかもしれないが、「やってる感」のアプリにしかならないし、それを僕自身が自信を持って勧めることができない。
ということでこの計画、「転職者向けアプリHaven」は座礁している。
いや、止まってはいない。厳密に言えば迷っているだけで、進んではいるのだ。
今や、アプリを作ることの敷居はかなり下がっている。
だから、どんなアプリを作るか、これが問題なのだ(そりゃそうだ……)。
どんなアプリがいいのか、わからない。
もしかしたらアプリじゃないのかもしれない。「転職者カフェ」とか「転職者バー」みたいな、オフラインで会える場所を提供する、という方が効果は大きいのかもしれない。
それも含めて考え中だ。
この記事を読んで、何かしら思いついたら教えて欲しい。
というかあなたがあなたが作ってしまえば良い。僕はできる限り協力するので。
そんな、雲を掴むようなアプリ考案。
